知っておきたい「養子離縁のこと」(令和8年11月号)

【登場人物】
智子さん:70代女性 札幌に引っ越してきた女性
ゆかり:行政書士
キーワード『消えた養子は相続人?』
智子さん
「ゆかりさん、こんにちは!先月の『大人の養子縁組』のお話、知人にも伝えたら『分かりやすかった!』って喜んでいたわよ。」
「智子さん、こんにちは!それは本当に嬉しいわ♪」
ゆかり
智子さん
「それでね、先月のお話のあと、知人から『もし一度結んだ養子縁組を、やっぱりやめたくなったときはどうなるの?』って相談されたのよ。すぐ解消できるものなの?」
「お互いに話し合って合意があれば、書類(養子離縁届)を提出するだけで割とスムーズに解消できるわよ。」
ゆかり
智子さん
「あら、そうなのね!じゃあ、お互いやめたくなったら話し合って別れればいいのね。」
「う~ん、智子さんの、そういう素直なところ好きだわ・・ただ、お互いに話し合いができればいいんだけど、相手が何十年も音信不通だったり、認知症などで意思疎通が難しくなっていたりして、スムーズにいかない場合もいろいろあるのよ。」
名字 名前
智子さん
「えっ、そうなの……!?確かに、連絡がつかないと話し合いができないものね。やめたくても手続きが進められないのか💦」
「そうなの。その結果、戸籍上は親子のまま相続を迎えてしまって困ることがあるのよ。」
ゆかり
智子さん
「それは困るわねえ」
☆彡養子離縁は離婚と同じ?
どちらも関係を解消する手続きですが、一番の違いは
「法律上の血族関係」を消滅させる点です。
離婚は夫婦関係(他人)を解消しますが、離縁は一度作った「法律上の親子」を消滅させます。
そのため当事者2人だけでなく、相手の親族全体との関係まで一気に消滅するのが大きな特徴です。
『ゆかりの相談室』テーマ~戸籍に残ったままの養子と相続~
※以下は、制度や手続きのポイントを分かりやすくお伝えするために作成した例です。100歳を超える高齢の親について家族で話し合っていたとき
“そういえば昔、親戚の子どもを養子にしたよね”という話が出て、その養子が『50年以上も昔に出て行って音信不通で、どこに住んでいるかも分からない』のです、養子縁組を解消することはできますか?
50年以上も音信不通とは、本当に頭を悩ませてしまいますよね・・・
💡 音信不通でも、戸籍の親子関係は続いています
「自分から出て行ったんだから」「連絡もつかないから関係ない」と思っていても、戸籍上の親子関係はそのまま残っています。
法律上は実子と同じ立場になりますので、例えば、いざ相続が始まったときには、連絡が取れなくてもその方の確認や手続き(遺産分割のお話し合いなど)が必要になってしまうんです。
では、「連絡が取れないから、こちらだけで養子縁組をやめます」と書類を出せるかというと、残念ながらそうではありません。
養子縁組を解消する(養子離縁)には、原則としてお互いの話し合いと合意が必要です。相手が音信不通の場合や話し合いができない場合は、家庭裁判所での手続き(調停や裁判など)が必要になることもあります。
何十年も前の出来事が、将来の相続で思いがけず問題になることもあります。
「どう進めたらいいか分からない」「昔の戸籍のことで不安がある」というときは、無理せず専門家へご相談くださいね。




